『キャロル自伝』深読み Pop-Up 🗯【2-10〜】

〜 日々追記中 〜

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キャロル・キング自伝:ナチュラル・ウーマン

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【第2部 第10章 『スウィート・ベイビー・ジェイムス』(自伝p227)】

●キャロル・キング『ライター / Writer』(1970/5発売, 1970/3-4 Crystal Soundにて録音)

ミュージシャン:Carole King (piano, vo), Ralph Schuckett (organ), John Fischbach (Moog synthesizer), James Taylor (acoustic g, vo), Danny Kortchmar (acoustic g, electric g, conga), Charles Larkey (Fender bass), Joel O'Brien (dr, per, vibes), Abigale Haness & Delores Hall (backing vo)。 ジョン・フィッシュバック(John Fischbach)の所有するLAのクリスタル・サウンド (Crystal Sound)スタジオでレコーディング。プロデューサーはGerry GoffinとJohn Fishbach。

※ようやく自分の名前を冠しソロ・アーティスト ”キャロル・キング” として発表した記念すべきファースト・アルバムで、地味な作りから発売当初はあまり注目されませんでしたが、名曲揃いであることは、後に数多くのアーティストがカバーしていることで明らか。クイーンのフレディ・マーキュリーがLarry Lurex名義で歌った「Goin' Back」は、映画『ボヘミアン・ラプソディ』(2018) でも効果的に使われました。

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収録曲:「スペースシップ・レイス / Spaceship Races」(Goffin & King), 「ノー・イージー・ウェイ・ダウン / No Easy Way Down」(Goffin & King), 「チャイルド・オブ・マイン / Child of Mine」(Goffin & King), 「ゴーイン・バック / Goin' Back」(Goffin & King), 「トゥ・ラヴ / To Love」(Goffin & King), 「私の胸にとびこんで / What Have You Got to Lose」(Carole King & Toni Stern), 「イヴェンチュアリー / Eventually」(Goffin & King), 「ラズベリー・ジャム / Raspberry Jam」(Carole King & Toni Stern), 「現実を見つめて / Can't You be Real」(Goffin & King), 「アイ・キャント・ヒア・ユー・ノー・モア / I Can't Hear You No More」(Goffin & King), 「スウィート・スウィートハート/ Sweet Sweetheart」(Goffin & King), 「アップ・オン・ザ・ルーフ / Up on the Roof」(Goffin & King)

・収録曲の1960-70年代の代表的カバー、オリジナル・レコーディング

「No Easy Way Down」The Germz (1967, オリジナル・レコーディング。GermzはGerry Goffinの従兄弟Marty Greenのバンド。下動画参照), Dusty Springfield(1970), Barbra Streisand (1971, 下動画Streisandlandより)

「Child of Mine」 Anne Murray (1970), Jackie DeShannon(1971), The New Seekers (1971), Billy Joe Royal (1972)

「Goin' Back」 Goldie and the Gingerbreads (1966, オリジナル・レコーディングだが歌詞が変更されていたためシングルは発売後に回収), Dusty Springfield (1966, 全英10位), The Byrds(1967), Larry Lurex a.k.a Freddie Mercury (1973, バックはクイーンのBrian MayとRoger Taylor, ロンドンの有名スタジオTrident Studioのエンジニア、Robin Geoffrey Cableの企画で録音。下動画はFreddie Mercury Soloより)

「Up on the Roof」 The Drifters (1962, オリジナル・レコーディング。全米4位) , Little Eva(1963), Laura Nyro (1970), James Taylor (1979)

  

●ジェイムス・テイラーのファースト・アルバム『ジェイムス・テイラー』 / 『James Taylor』(1968/12発売, 1968/7-10録音, Apple) 

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ジェイムスの盟友クーチ(Danny Kortchmar)は、かつて英国男性デュオ、ピーター&ゴードン(Peter and Gordon)の前座を務めた縁から、Flying Machine解散後、渡英するジェイムスにデュオの1人であるピーター・アッシャー(Peter Asher)の連絡先を渡していた。Peter Asherは当時ビートルズの新設レーベル、Apple RecordのA&R担当になっており、ジェイムスのデモをビートルズに聴かせたところ、Apple Recordsとの契約が成立。ファースト・アルバムはアッシャーがプロデュースし、1968年7月〜10月にロンドンのTrident Studioでレコーディングされた。ちょうど同スタジオではビートルズが『ホワイト・アルバム』をレコーディング中だったため、ジェイムスの収録曲「Carolina in My Mind」ではポール・マッカートニーがベース、ジョージ・ハリスンがバック・コーラスを務め、「Something in the Way She Moves」はジョージ・ハリスンの「Something」にインスピレーションを与えている。またFlying Machine時代の曲(「Something's Wrong」「Knocking 'Round The Zoo」「Night Owl」「Rainy Day Man」など)もレコーディングされた。※Trident Studioは、ビートルズの「ヘイ・ジュード」やアップル所属アーティストほか、クイーン、エルトン・ジョン、デヴィッド・ボウイら数多くの名アーティスト・名作が録音されたスタジオ。1968年にSoho地区(17 St. Anne's Court, Soho, London)に居を構え、1981年に閉鎖しましたが、跡地にはデヴィッド・ボウイの記念プレートが掲げられています。

●ピーター&ゴードン / Peter and Gordon

ピーター・アッシャー(Peter Asher)とゴードン・ウォーラー(Gordon Waller)による英国人デュオ。「愛なき世界 / A World Without Love」(1964, Lennon & McCartney, 全英1位・全米1位), 「ノーバディ・アイ・ノウ / Nobody I Know」(1964, Lennon & McCartney, 全英10位・全米12位), 「アイ・ゴー・トゥー・ピーシズ / I Go to Pieces」(1965, Del Shannon, 全米9位) などの世界的ヒットを放った。ピーター・アッシャーは、妹で女優のジェーン・アッシャー (Jane Asher)と共に1950年代から子役として活躍、ジェーンがポール・マッカートニーと付き合っていた(1963〜68年)縁でビートルズとのつながりが深まった。2005年からピーター&ゴードンは再結成してステージに立つが、2009年にゴードンが心臓発作のため死去。享年64歳。 

英・Granada TV 特別番組『 The Music Of Lennon and McCartney.』(1965/12/6放送) より、ジョン・レノンとポール・マッカートニーによる紹介でピーター&ゴードン「愛なき世界」が流れる映像を発見 (1' 27"より)。

 

 ●ジェイムス・テイラー『スウィート・ベイビー・ジェイムス / Sweet Baby James』(1970/2/1発売, 1969/12/8-17録音, 全米3位, Warner Bros.)

ミュージシャン:Danny Kortchmar (g), Red Rhodes (steel g), John London (b), Randy Meisner (b, "Country Road" and "Blossom"), Bobby West (コントラバス, "Fire and Rain"), Chris Darrow (violin), Carole King (piano, backing vo), Russ Kunkel (dr)。Peter Asherがプロデュース。シングル「Fire and Rain」が全米3位に、「Country Road」が全米37位なった。Sunset Sound Studio(6650 Sunset Boulevard)にてレコーディング。

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●サンセット・サウンド / Sunset Sound  1962年に、ディズニーの録音ディレクターTutti Camarataによって設立された録音スタジオ。ディズニー作品、ジェイムス・テイラーのほか、レッド・ツェッペリン、ジャニス・ジョプリン、エルトン・ジョン、ドアーズ、プリンス、ヴァン・ヘイレン等数多くの伝説的録音が行われている。6650 Sunset Blvd, Los Angeles.

●1970年秋ジェイムス・テイラーのツアー

キャロルがバックバンドに加わり、James Taylor (vo, g), Danny Kortchmar (g), Leland Sklar (b), Russ Kunkel (dr), Carole King (p, vo) のメンバーで、1970/10/22 Berkeley Community Theater, CA、11/7 Dillon Gym Princeton, NJ. 11/22 Berkeley, CA. 11/24-29 Troubadour W Hollywood, CA等でライブを行っている。

1970年秋に英・BBCで収録されたジェイムス・テイラーのワンマン弾き語りライブ。

 

【第2部 第11章 初めてのリード・ボーカル(自伝p233)】

●「アップ・オン・ザ・ルーフ / Up on the Roof」

キャロルのファースト・アルバム『Writer』(1970) に収録した「Up on the Roof」のレコーディングでアコースティック・ギターを弾いたジェイムス・テイラーは、自身のツアーのセットリストにもこの曲を入れて頻繁にカバーしていた。実際にジェイムスがこの曲を自身のアルバムに収録したのは1979年の『Flag』で、シングルとして全米28位を記録。ジェイムスがその頃(1978年)テレビ番組『Sesame Street』で演奏した「Up on the Roof」の映像。

James Taylorより

下は1971年4月、キャロル自身による英BBCでのライブ演奏。

 From Carole's Facebook

※キャロルがジェイムスから初のリード・ボーカルを無茶ぶりされたという、母校Queens Universityでの公演は、1970年春頃のことだと思われます(1970年5月29日のカリフォルニア州Berkeley Community Theater公演では、すでにキャロルがジェイムスの紹介で「Up on the Roof」を歌っているため)。そして「Fire and Rain」の大ヒット(8月には全米3位)とともにジェイムスの人気がヒートアップすると、キャロルの歌コーナーにブーイングする女性ファンも出てきたそうです(Weller, Sheila. Girls Like Us . Simon & Schuster, Inc.より)

キャロルとジェイムスの共演による「Up on the Roof」はその後、『The Carnegie Hall Concert : June 18, 1971』(1971)、『Live at the Troubadour』(2010) にも収録、また慈善コンサート「Boston Strong」(2013/5/13開催) などイベントでも実現。

【第2部 第12章 録音スタジオ(自伝p239)】

●キャロル・キング『つづれおり / Tapestry』 (1971/2/10発売, 1971/1 録音, 全米15週1位・世界で2500万枚売上, Ode Records)

ミュージシャン:Carole King (piano, kb, vo), Danny "Kootch" Kortchmar (g, conga, backing vo), Charles "Charlie" Larkey (b), Russ Kunkel (dr), Joel O'Brien (dr), Ralph Schuckett (electric piano), James Taylor (guitar, backing vo), Joni Mitchell (backing vo),  Merry Clayton (backing vo), Julia Tillman (backing vo), David Campbell (cello, viola), Perry Steinberg (b, violin, tenor sax); string quartet - Curtis Amy (flute, sax), Terry King (cello, tenor sax), Barry Socher (violin, tenor sax, viola)  and Charlie Larkey.

プロデュース:ルー・アドラー(Lou Adler), マスタリング:Vic Anesini, エンジニア:ハンク・シカロ(Hank Cicalo), ジャケット写真:Jim McCrary, A&Mスタジオにてレコーディング。

「制作に3週間、制作費2万2000ドル」(ルー・アドラー談、The Making of Carole King's "Tapestry" Album, Carole King: Natural Woman, 2016, PBSより)

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収録曲:「アイ・フィール・ジ・アース・ムーヴ / I Feel the Earth Move」(1stシングル全米1位・Carole King), 「ソー・ファー・アウェイ / So Far Away」(2ndシングル全米14位・Carole King), 「イッツ・トゥー・レイト / It's Too Late」(1stシングル全米1位・Carole King & Toni Stern), 「ホーム・アゲイン / Home Again」(Carole King), 「ビューティフル / Beautiful」(Carole King), 「ウェイ・オーヴァー・ヨンダー / Way Over Yonder」(Carole King), 「君の友だち / You've Got a Friend」(Carole King), 「地の果てまでも / Where You Lead」(Carole King & Toni Stern), 「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー / Will You Love Me Tomorrow?」(Goffin & King, 「スマックウォーター・ジャック / Smackwater Jack(2ndシングル全米14位・Goffin & King)」, 「つづれおり / Tapestry」(Carole King), 「ナチュラル・ウーマン / (You Make Me Feel Like) a Natural Woman」(Goffin & King and Jerry Wexler)

●ルー・アドラー(Lou Adler, 右)とハンク・シカロ(Hank Cicalo, 左)、 A&Mスタジオにて『Tapestry』レコーディング中 - Carole King Facebookより

 

●A&M スタジオのあった場所 1416 North La Brea Ave. Los Angeles。 もとはチャーリー・チャップリンのスタジオだった。サンセット・サウンドは6650 Sunset Blvd, Los Angeles。※自伝240ページ5行目「サンセット・サウンド」は、原書どおり(Sunset Sound)の訳ですが、ジェイムス・テイラーLP『マッド・スライド・スリム』には「Crystal Recording Studios, Hollywood」とクレジット表記されています。真相は不明。

●『Tapestry』レコーディング風景 Carole King Facebookより

 ●ジェイムス・テイラー『マッド・スライド・スリム / Mud Slide Slim and the Blue Horizon』(1971/3/16発売、1971/1/3 - 2/28録音, 全米2位, Warner Bros.)

ミュージシャン:James Taylor (vo, g, piano), Danny Kortchmar (g, conga), Carole King (piano),  Leland Sklar (b), Russ Kunkel (dr, percussions), Joni Mitchell (backing vo on "Love Has Brought Me Around", "You've Got a Friend" , "Long Ago and Far Away"), Kate Taylor – backing vo on "Let Me Ride" , "Highway Song"), Andrew Love (tenor sax), Wayne Jackson (trumpet),  John Hartford (banjo on "Riding on a Railroad"), Kevin Kelly (accordion on "Places in My Past", piano on "Let Me Ride), Richard Greene – fiddle on "Riding on a Railroad"), The Memphis Horns on "Love Has Brought Me Around","Let Me Ride", Peter Asher (tambourine on "Love Has Brought Me Around", backing vo on "Machine Gun Kelly", "Highway Song")

プロデュース:ピーター・アッシャー(Peter Asher), エンジニア:リチャード・オーショフ (Richard Orshoff)

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●ジョニ・ミッチェル / Joni Mitchell 『ブルー / Blue』(1971/6/22発売, 1971 録音, 全米15位, Reprise)

ミュージシャン:Joni Mitchell (vo, g, piano, appalachian dulcimer), Russ Kunkel (dr. on "California", "Carey", "A Case of You"),  Stephen Stills (b, g. on "Carey"), James Taylor (g. on "California", "All I Want", "A Case of You"), Sneaky Pete Kleinow (pedal steel guitar on "California", "This Flight Tonight")

エンジニア:Henry Lewy, A&M Studioにてレコーディング。

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 Carole King Facebookより

●ウィスキー・ア・ゴーゴー / Whisky a Go Go8901 Sunset Blvd.)

1964年にサンセット・ストリップ(Sunset Blvd.のウエスト・ハリウッドあたり2.6キロ) にオープンしたナイトクラブで、当時ゴーゴー・ダンスを流行させたアメリカ初のディスコと言われる。生演奏もあり、Doors, The Byrds, Buffalo Springfield, Frank Zappa等が当時の常連プレイヤーだった。創設者のひとりElmer Valentineはその後、キャロルのプロデューサーであるルー・アドラーらと共にサンセット・ストリップ沿いにRoxy Theater (1966年, 9009 Sunset Blvd.) 、Rainbow Bar & Grill (1972年, 9015 Sunset Blvd.) をオープンさせ、サンセット・ストリップの隆盛に一役買っている。ルー・アドラーは1964年にJohnny Riversのライブ盤『At the Whisky A Go Go』をプロデュースして大成功を収めていた。

 

●The Making of Carole King's "Tapestry" Album, Carole King: Natural Woman (2016, PBS) トレーラー

 

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