『キャロル自伝』深読み Pop-Up 🗯【0-00〜】

〜 日々追記中 〜

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キャロル・キング自伝:ナチュラル・ウーマン(河出書房新社サイトへ)

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【2005年ショウタイム(自伝p13)】

●スロート・コート / Throat Coat(R)  

キャロルがライブ前に飲むハーブ・ティー。喉を使う人が愛用している。(写真はTraditional Medicinals社HPより)

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●ビートル・ブーツ / Beatle boot (Wikipediaの写真参照)

キャロルのバンド・メンバー、ルディ・ゲスがステージに出るときに履くブーツ。ビートルズが60年代に流行らせた男性用の革製ブーツで、チェルシー(Chelsea)・ブーツを原型に、つま先をとがらせ、つま先中央から上までスティッチが入っている。ビートルズは1961年に、舞台用シューズを扱うAnello & Davideで注文した。

●映画『スパイナル・タップ / This Is Spinal Tap』

キャロルが舞台裏で迷子にならないのは、制作監督のスライスと、この映画のおかげ。1984年、ロブ・ライナー監督(&出演)。「スパイナル・タップ」という架空ヘヴィメタ・バンドの偽ドキュメンタリー映画。レッド・ツェッペリンやAC/DCあたりのファンにはたまらないネタ満載、カルト的人気を誇るコメディだ。トレイラーも笑える。

●DVD『ベスト・ヒッツ・ライヴ〜ウェルカム・トゥ・マイ・リヴィング・ルーム  / Welcome To My Living Room』 

「2005年ショウタイム」と最終章の「2005年ショウタイム(つづき)」(p499)は、じつはこのツアーにつながっている。2005年8月6日のカリフォルニア公演と2006年11月30日のシドニー公演から厳選したパフォーマンスを収録し、リハーサル風景、バンド・メンバーやスタッフ(スライスも登場)のインタビューなども特典映像に。自伝と併せて観たいビデオ。

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【第1部 第1章 先祖 (自伝p23)】

●ブルックリン東24番街2466番地 / 2466 E 24th St, Brooklyn, NY

キャロルが幼少期に住んでいた家の住所。休日に両親と遊びに行ったコニー・アイランド / Coney Islandもほど近い。

 

●コニー・アイランドの録音ブース / Voice-O-Graph

キャロルがコニー・アイランドに遊びに行ったときに初めて自分の声で「キラキラ星」を録音したブース。電話ボックスのような(つまり、近年のプリクラのような)ブースに入り、コインを入れると、受話器から声を録音でき、直径約15センチの78回転レコード盤に声がカッティングされて出てくるという機器。レコード盤は、メッセージカードのように郵送することもできた。録音ブースは「Voice-O-Graph」という商品名で、1940年代に International Mutoscope Reel社が販売し、遊園地や観光地(エンパイヤ・ステート・ビルの86階にも!)に設置された。1940年代当時、コニー・アイランドにもこの録音ブースが並んでいたという(Coney Island History Project参照)。なお、ニール・ヤングの2014年アルバム『A Letter Home』は、この録音ブースを使って録音されている(Neil Young「Needle of Death」 PV)。

写真は、Voice-O-Graphの当時の宣伝材料。

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【第1部 第2章「完璧に弾けるまで」(自伝p26)】

●「ベルボトム・トラウザーズ」 / Bell Bottom Trousers

3歳のキャロルが母親と歌っていた曲。海軍兵のズボンのことをタイトルにした戦時中の流行歌で、1944〜1945年に複数の楽団が演奏してヒットしていた。映像はガイ・ロンバード楽団によるバージョン。トニー・パスター楽団のバージョンはThe Italian American Novelty Singer (Best Recordings) / Tony Pastor And His Orchestra』収録。

●「ハート・アンド・ソウル」 / Heart and Soul

キャロルの父がよくピアノで弾いた曲。ホーギー・カーマイケル作曲、フランク・レッサー作詞による1938年作品。

●「チョップスティックス」 / Chopsticks

これも父親のレパートリーだった。欧米民謡のピアノ曲で、日本では「トトトのうた」とも言われていた。

ちなみにトム・ハンクス主演映画『ビッグ』(ペニー・マーシャル監督,1988年)では、これら2曲が演奏されるシーンがある。

※ 余談ですが『スパイナル・タップ』監督のロブ・ライナーと、『ビッグ』監督のペニー・マーシャルは、70年代に夫婦でした。2人ともコメディ・センス抜群の俳優で、彼らがそれぞれ出演していた70年代TVドラマ「オール・イン・ザ・ファミリー」「ラバーン&シャーリー」は抱腹絶倒。ペニーが2018年に他界💧したとき、ロブ・ライナーは「ぼくはペニーと共に成長してきた。ペニーは生まれつき笑いのツボを心得ていた人。彼女がいなくなって寂しい」とツイート。私も寂しいです。

●ピアノ教則本「John Thompson's Modern Course for the Piano: Teaching Little Fingers To Play

キャロルが4歳から本格的にピアノを習い始めたときに活用した教本。アメリカの作曲家ジョン・トンプソンが、ピアノ教育を親しみやすく分かりやすくまとめたことで、当時の現代版ピアノ教本として人気があった。日本語版「トンプソン 小さな手のためのピアノ教本」も出ている。

●フィグ・ニュートン / Fig Newtons

米ナビスコのクッキーで、中にイチジク(Fig)のジャムが入っているヒット商品。

●「シュー・フライ・パイ・アンド・アップル・パン・ダウディ」/ Shoo Fly Pie and Apple Pan Dowdy

4歳のキャロルがピアノで弾こうと試みた、ダイナ・ショアの1946年ヒット曲。40年代ヒット曲集『The Very Best of the 40's, Vol.3』収録。

【第1部 第3章 ラジオとテレビ (自伝p33)】

●『ヘレン・トレントの恋』 / The Romance of Helen Trent

5歳のキャロルが、学校を休んだときにラジオで聞いていた昼メロ番組。35歳で男好きのドレスメーカーが、ハリウッドの衣装デザイナーに上りつめるまでを描いている。1933年から1960年まで放送。

●「ダンス・ウィズ・ア・ドリー」/ Dance With A Dolly (With a Hole in Her Stockings)

キャロルがよく口ずさんでいた、トニー・パスター楽団の1944年頃のヒット曲。『The Italian American Novelty Singer (Best Recordings) / Tony Pator And His Orchestra』収録。

●ロイ・カンパネラ / Roy Campanella  (Wikipedeiaの写真参照

1948年から1958年までブルックリン・ドジャースでプレーした黒人メジャーリーガー、キャッチャー。1951年、1953年、1955年にMVPに輝き、1955年のワールド・シリーズ優勝に大きく貢献した。

●『アイ・ラブ・ルーシー』 / I Love Lucy

少女時代のキャロルが毎週月曜の夜に観ていたテレビの人気コメディ番組。1951年から1957年までCBSテレビで放送され、日本を始め世界各国で放送された。1951年10月15日放送第1回目「The Girls Want to Go to a Nightclub / 敵もさるもの」より。主演のルシル・ボールとデジ・アーナズは当時夫婦だった。

 

※50年代に終わった番組とはいえ、その後何度も再放送されたため(アメリカの番組は、秋からのシーズンが終わると残りの半年は再放送で埋められる)、幅広い世代に広まった番組です。70年代に再放送を見た私も、大ファンになりました。

●『テキサコ・スター劇場』 / Texaco Star Theatre

少女時代のキャロルが毎週火曜の夜に観ていた人気バラエティ番組。ホスト役はコメディアンで俳優のミルトン・バール。1948年から1956年までNBCテレビで放送された。

●「イフ・アイ・ニュー・ユー・ワー・カミング・アイド・ハヴ・ベイクド・ア・ケーキ」/  If I Knew You Were Coming I'd've Baked a Cake

キャロルが8歳のとき『ホーン&ハーダート・チルドレンズ・アワー』というバラエティ番組に出演し、友だちのロレッタとふたりで歌ったのが「イフ・アイ・ニュー・ユー・ワー・カミング・アイド・ハヴ・ベイクド・ア・ケーキ」。アイリーン・バートンの1950年ヒット曲である(『Cookin' : Choice Cuts from the Famous Fifties』収録)。また、この後テッド・マックがホストを務める『オリジナル・アマチュア・アワー』というタレント発掘番組にも出演、こちらではジョー・スタッフォードの1951年ヒット曲「Shrimp Boats」を演奏。

●『ユー・ベット・ユア・ライフ』/ You Bet Your Life

ラジオからテレビへの変遷期にキャロルが好きだったクイズ形式のバラエティ番組。1947年からラジオで、1950年から1960年までNBCテレビで放送。マルクス兄弟のグルーチョ・マルクスがホスト、アナウンサーのジャック・フェネマンがアシスタント。

●ジョー・スタッフォード「ユー・ビロング・トゥ・ミ−」、ミルス・ブラザーズ「グロウ・ウォーム」他 / Jo Stafford 「You Belong To Me」, Mills Brothers「Glow Worm,」 etc

中学生になったキャロルがラジオで聴いていた1952年のヒット曲。『Cookin' : Choice Cuts from the Famous Fifties』にも収録されている。

 

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